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クラウドアトラス [映画みましょ]

※3/27追記

見てきました。クラウドアトラス。

会社は午後さぼった^o^

意外とお客さんは多く(平日の昼間だしガラガラかと思ってた)、6割ぐらいの入り。
見たところ、50歳割引きの夫婦が多いようで、まあ、地域ガラかと思いますが、春休みにもかかわらず若い人ゼロ^^;;。

予告編が大層な作品は本編がショボイ場合が多いのであまり期待していませんでしたが、意外と面白かった。
3時間の長時間にもかかわらず、全く退屈することも、途中で疲れたなあと思うこともなし。


以下、ネタバレ

6つの時代の話(そのうち3つが過去、1つが現在、2つが未来)が交錯しながら進んでいくのですが、話が錯綜して解らなくなることもなく、デヴィッドリンチの映画みたく「これは何を暗示しているんだ?」と悩むこともなく、各ストーリーが容易に把握できます。


で、この映画の「意味」なんですけれど、結局、すべては観た個人の解釈ですよね、これ、きっと。


自分が強く感じたのは、予告編の中にもある

  "Everything is connected." ということと、劇中のセリフ"Our lives are not our own. From womb to tomb, we are bound to others, past and present, by each crime and every kindness, we birth our future." ですかねえ。

身近な因果関係.....というまでもないか、黒人の密航者を救った「から」毒殺を免れた「から」奴隷解放運動をすることとなった、父親が戦争のときに救った「から」殺し屋から守ってもらえた、不倫をした「から」老人ホームならぬ看護婦が横暴の監獄に送られた、などの短いスパンにわたるリンクから、時代を超えた、書籍、音楽、手紙、テレビ、映画、動画、信仰、技術(原子力-崩壊後の世界では被曝してしまうらしい..)を介するリンクまで。

スコットランドとイングランドの確執も、まあ、過去からのリンクですわな^^

そして、これは映画の中で同じ役者が演じているという仮想のリンクですが、夫の意志について奴隷(強制的な移民)解放運動に携わった人間が、後の時代では移民となっていたり、ドイツ人とユダヤ人との確執が、ジャーナリストとその命を狙う殺し屋に投影されていたり、銃で恋人が自殺した人間が後に銃で殺されたり、なんだか運命主義的な匂いのするリンクも多数散りばめられていました。

でも、映画としては、別に、運命主義や輪廻転生や仏教でいう業といった主張は無いような気がするんですよね。

そこにあるのは、いつの時代も人間の本質は同じようなものだということと、”Everything is connected”、シンプルにこれだけのような気がします。
なんか、波のゆらぎにも似ています(小さいゆらぎが伝播していき、たまに大きくゆらぐ)

しかし、このシンプルさをあれだけの映画に膨らませるのも、尋常でなく凄い...


とはいえ、トムハンクスだけは、何か「業」を背負ってるっぽいですね。
過去の出来事のフラッシュバックも起きているし、オールドジョージの幻覚があるしね。
ハルベリーと4回目にしてやっと一緒になれたし。

ちなみに、ビートルが水中に転落させられるシーン。現実は夜でしたが、フラッシュバックの中では明るかったですよね。
これって、解離の幻覚^^;;?(一つ前の記事を参照)。
うおー、これってあれだ!あの幻覚だ!!、と思ってしまった^^;


あ、そうそう、一つ気になったのは、目を無理やりに細くすることで東洋人を主張しないでください。
あれ気持ち悪いよ^^;;

追加1:
最後の信仰が非常にシンプルなものになってて良かった・・・
牧師は悪い奴だし、その宗教観がいい!

追加2:
現在が一番お気楽に描かれているのは、やっぱり意図的なんですよね?!

追加3:
面白いのは、「自然の摂理(natural order)」なるものを語るヒューゴウィービングが、最も、人為的な摂理(例えば階級制、例えば石油権益)を実行する人間であること。

追加4:
最初、トムハンクス一人が「業」を背負っているのかもと思っていましたが、よく考えたら崩壊後の世界においてスーザンサランドンも「お告げの人」みたいなことをしていますし、これ、あれですよね、文明が崩壊することによって、本来持っていたはずであり、たかがここ数千年の文明や宗教によって次第に忌まわしくいかがわしいものとされ(日本ではあまりそうではないかもしれませんが)、無いものとされてきた人間のまた一つの本質が彼らに現れている、と考えてもいいかもしれません。

ところで、あのフラッシュバックのシーン、トムハンクスは動画として見たのかもしれませんよね。
彼は山頂の通信基地へのガイドができること、「ルイサレイ事件」と、1973年の一連の出来事が名前のついた事件となっていること、映画になっている可能性があること、等が根拠です。まあ、違うかも。

追加6:
斜陽した全体主義になると(近未来のソウル)、どうでもいい老人ホームからの脱走が動画として見られているのね...。とはいえ、ソンミに大きな影響を与えることになるんですが。

追加7:
ラストシーン、地球が青い光として見えることになっています。
これまたえらく近い移住先だなあ、と思ってたんですが、あれ、映画の中で繰り返しでてきた「青い光る粒」ですよね。

追加8:
もし輪廻転生があるとしたら、自殺した作曲家が転生してレコード屋になり、過去の自分が作曲したその曲を聞かずにはおれなくなっている、そして、その作曲家を愛した女性が、またその曲を聴いたことがあると感じる。
このエピソードが一番しみじみしますね...。

いろいろ考えますね、この映画。
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